3Dモデル / VCB(真空遮断器)

VCBの中を3Dで見る。
52aはどこにある?

引外しコイル(TC)の電流を切っている52aは、VCBの中の「補助スイッチ」にある接点です。主軸と一緒に回るはずの補助スイッチが回らないと、何が起きるのか。引外しの順番を再生して確かめます。

原理を理解するための教材

参考型式は三菱電機 VF-8D(引出形・電動ばね操作)です。外観の部品名(真空バルブ・上部/下部接触子・開閉表示器・ばね蓄勢表示器・動作回数計・制御回路プラグ・車輪)と補助スイッチの接点数(電動ばね操作 5a5b)はカタログで確かめました。操作機構の中(主軸・リンク・補助スイッチの位置と形)はカタログに構造図がなく、模式です。手元のVCBは、銘板の形式で取扱説明書を確認してください。

3Dモデル

「外観」「内部」「動作」「結線」で切り替えます。部品をタップすると、名前・役割・つながる相手と、資料で確かめた範囲が出ます。「動作」では、引外し(正常)、52aが開かない故障例、投入を、1段ずつ進めて確かめます。動きは順番を示すためのもので、時間や電流の大きさは表していません(実際の引外しは数十ミリ秒)。

引外しの順番

  1. 67の出力接点が閉じる。直流電源 → 67の接点 → 52a → TC と電流が流れ、TCが励磁される。
  2. TCのプランジャが引外しキャッチを外す。投入した状態を保っていた留め金が外れる。
  3. 開路ばねの力で主軸が回る。主軸につながった絶縁操作ロッドが3相の可動接点を引き下げ、真空バルブの中で接点が開く。
  4. 主軸と一緒に補助スイッチも回り、52aが開く。ここでTCの電流が切れる。TCに電流が流れたのは一瞬だけ。
  5. 試験器や継電器が戻って、67の接点が開く。このときはもう電流が流れていないので、接点に負担はほとんどない。

TCの電流を切るのは52a。52aを動かしているのは主軸の回転。主接点が開いたことと、52aが開いたことは、別々に確かめないとわからない。

どこが動かないと何が起きるか
補助スイッチを回すリンクの外れ・曲がり・ピン抜け主接点は開くのに、52aが閉じたまま。TCと67の接点に電流が流れ続ける(モデルの「52aが開かない(故障例)」)
補助スイッチ自体(接点の溶着・内部の故障)回っても52aが開かない。結果は同じ
主軸が最後まで回らない(機構の引っかかり)主接点の開き方も、補助スイッチの切り替わりも中途半端になるおそれ
配線の誤り(52aを通らない経路)VCBが正常でも、TCの電流が切れない

どれが原因かは、その機種の構造と現物を見ないと決められません。原因の特定は、メーカーの調査がいちばん確実です。

手元のVCBで、52aを探すには

  1. 銘板で形式を確かめる(メーカー・形式・製造年)。
  2. その形式の取扱説明書で、構造図と補助スイッチの位置を見る。接続図には、補助スイッチの接点(a・b)と、制御回路プラグの端子番号が書かれている。
  3. 展開接続図で、引外し回路のどこに52aが入っているかを確かめる(制御回路プラグの何番から何番か)。
  4. VCBを盤から引き出し、制御電源を切った状態で、入・切させながら、その端子間の導通をテスターで確かめる。入で導通、切で不通なら52aは動いている。
  5. リンクやピンを見るときは、分解や調整の前に写真を残す。原因の調査に必要になる。

作業は社内手順と作業責任者の指示に従います。ばねが蓄勢されたままの機構に手を入れると危険なので、取扱説明書の手順でばねを放勢してから点検します。

資料で確かめた範囲

出典:三菱高圧真空遮断器 VF-8D/13Dシリーズ(K-K06-5-C7085-R)、東芝真空遮断器 V4C/V6C・V4D/V6D形シリーズ、VCBの「52a」についての備忘録(2026年10月26〜27日閲覧。カタログの発行年月は本文から読み取れず未確認。モデルの部品名・接点数は三菱電機の資料だけを使い、東芝の資料は原理の確認にだけ使った)

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