分かっている条件から、
整定の候補を比べる。
実機の型式・CT比を確認し、分かっている負荷値から入力。候補と未確認の条件は、各入力欄の下に表示します。
整定検討の補助ツールです。実設備の整定変更・試験に進む前に、現場責任者の管理下で、承認済み整定表・実機取扱説明書・社内手順・操作票と系統状態を照合してください。停電作業では、無電圧確認・誤投入防止など、その作業に必要な安全措置が前提です。
共通条件
この先の換算の土台CT比 r = CT一次 ÷ CT二次一次電流 ÷ r = リレーに入る二次電流
既設設備では「推奨CT」ではなく、実際に受電OCRへつながっているCTを使います。
機種と実際のCT比を入力
限時タップ
何Aから数え始めるかI₂ = P ÷ (√3·V·cosφ) ÷ r → Tap ≧ I₂ × 1.2〜1.5計算値以上の目盛へ切り上げ。K2OC簡便式は ×1.5・力率項なし
通常負荷を基に候補を求めます。既設値が分かる場合は、負荷計算を省略して下の選択欄へ進めます。
負荷から計算する
研修・試験で使う「Imax方式」との対応と計算例 →
K2OC標準結線はR・Tの2要素です。他の相を計算した値が、そのまま実機の検出対象になるわけではありません。実際のOCR入力と相線の対応を照合してください。
三相Trは S/(√3V)、単相Trは S/V。入力したTrを1台ずつ計算してから相ごとに合成します。
限時の計算過程と出典
通常負荷から求める電流基準
一次換算:条件待ち
瞬時タップ
どこからは待たないか避けたい電流 < 瞬時 × r < 最小短絡電流出発点の目安は I₂ × 10〜15。誤差±7%を含めて比べる
電流条件から候補を絞り、突入・始動の継続時間と上位の動作時間を別に確認します。
出典未確認の旧倍率も比較する
突入回避・最小事故電流の条件を入力
±7%はK2OC性能欄の動作値仕様です。温度・周波数・CT・過渡波形・時間特性までを含む保証ではありません。K2OC仕様・根拠を開く
瞬時候補の計算と根拠
短絡電流が分からないとき:ミニ計算
この簡易計算値は最小事故電流の根拠にはできません。Tr %Z法は電源・ケーブルのインピーダンスを含みません。対象事故範囲を含む正式な検討で確認した最小事故電流を、Step2に入力してください。
低圧モータ始動電流を高圧側へ換算
OMRONの簡易突入チェック:Tr定格一次×10・0.1秒
上位(電力会社側)との瞬時協調チェック[任意]
実機の瞬時特性:2段・3段・ロック
ダイヤル・時間協調
どれくらい待つかM = I₂ ÷ Tap → t = 80 ÷ (M²−1) × D ÷ 10(EI)下位 + 余裕 ≦ t かつ t + 遮断器 ≦ 上限 − 余裕
下位の先行遮断と、上位・機器耐量の時間上限を同じ一次電流で比較します。比較点から全16目盛を評価します。
下位・上位の比較点と遮断時間を入力
① 下位保護を先に動かしたい領域
② OCRが遅すぎないための上限制約[任意だが最終選定には重要]
例:変圧器の短時間耐量、別の上位制約、設計上「この時間までに事故電流を遮断する」という点。PF最小遮断電流未満をOCRで受け持たせるなら、この側の条件が重要です。
Tr短絡強度の参考上限点:定格一次×25・2秒
下位には最大全遮断時間、上位OCRには最小動作時間など、判定目的に対応する側の値を入力します。余裕・VCB時間の空欄は0秒に置き換えません。0秒を明示入力した場合は、その仮定を記録します。
全目盛の時間・条件・除外理由
入力した下位・上位点は点として表示し、点間を補間しません。青線は選択したK2OCの限時単体公称式です。瞬時関与の参考境界より先の実際の動作時間を表す線ではありません。
目標時間が既に決まっている場合:1点からD逆算[補助]
低圧MCCBの電流を6.6kV側へ換算するミニ計算
条件と根拠を一緒に残す
検討用の記録です。「既設の承認済み値」は利用者が選んだ区分で、ツールによる承認ではありません。
記録される条件・結果・根拠を確認する
仕組みを学ぶ:限時・瞬時・ダイヤルの3つの役割
OCRの整定は、
3つのつまみで決まる。
限時タップで「何Aから」、ダイヤルで「どれくらい待つか」、瞬時タップで「どこからは待たないか」。
1枚のグラフに重ねると、3つの役割が見えます。
見本の整定をK2OCの超反限時(EI)の公称式で描いた学習用の図です。実機の許容差・定時間下限・瞬時の動作時間は描き分けていません。
1 見本 3A限時タップ
何Aから数え始める?
普段の負荷では動かず、それを超えた過電流から時間をかけて動かす「入口」の電流です。
- 1負荷電流を求める
I₁ = P ÷ (√3 × V × cosφ)200kW ÷ (√3 × 6.6kV × 0.90) = 19.4A - 2CT比でリレー側へ
I₂ = I₁ × CT二次 ÷ CT一次19.4A × 5 ÷ 50 = 1.94A - 3余裕をかけ、目盛に合わせる
Tap ≧ I₂ × 1.2〜1.52.33〜2.92A → 目盛(3〜6A)の最小 3A
メーカー簡便式でも確認:Tap ≧ P÷(√3V) × 5÷CT一次 × 1.5 = 17.5 × 0.1 × 1.5 = 2.62A → 3A。力率項がない式なので、①の負荷電流とは分けて扱います。
限時タップを計算する →根拠
- 120〜150%:日本電気技術者協会の技術解説(契約負荷電流に対する目安)
- 簡便式・目盛3/3.5/4/4.5/5/6A:オムロン K2OC データシート p.14・pp.2–3
- I = P/(√3V cosφ)、CT換算:公式を自分で復元する
- 1
2 見本 30A瞬時タップ
大電流なら、待たずに切る?
短絡のような大電流は、時間をかけずに切ります。ただし変圧器の投入電流などで切れてはいけません。
- 1倍率の目安で当たりをつける
I₂ × 10〜151.94A × 10〜15 = 19.4〜29.2A → 目盛 20A・25A - 2投入・始動では動かない
瞬時 × CT比 > 避けたい電流例:避けたい電流 一次200A 以下では動かない - 3守りたい短絡は必ず拾う
瞬時 × CT比 < 最小短絡電流例:一次500Aの事故は拾う
見本の30Aは一次300A。動作値の誤差±7%を含めても279〜321Aで、②③を満たします(25A・40Aも条件内)。倍率の目安①は出発点で、最後は②③の電流と、突入が続く時間・上位との協調で決めます。
瞬時タップを計算する →根拠
- 1000〜1500%:日本電気技術者協会の技術解説
- 突入の参考点(変圧器定格一次×10・0.1秒):オムロン 保護継電器の技術解説
- 目盛10〜80A・動作値±7%:K2OC データシート pp.2–3
- 1
3 見本 D2ダイヤル
どれくらい待ってから切る?
タップの何倍流れたかで、動作時間が決まります。ダイヤルはその時間を全体に何倍するかのつまみです。
- 1タップの何倍かを出す
M = 事故時のCT二次電流 ÷ 限時タップ一次90A → 二次9A ÷ 3A = 3 - 2特性式で時間にする(EI)
t = 80 ÷ (M² − 1) × D ÷ 1080 ÷ 8 × 2 ÷ 10 = 2.0秒 - 3上下の保護と時間をくらべる
下位 + 余裕 ≦ t / t + 遮断器 ≦ 上限 − 余裕0.5+0.2 ≦ 2.0 / 2.0+0.06 ≦ 3.0−0.2
逆算もできる:目標時間が決まっていれば D = 10 × t × (M² − 1) ÷ 80。ただし1点で合っても、曲線全体での協調は別に確認します。
ダイヤルを検討する →根拠
- EI・VI・NI・DT・DOの特性式と定時間下限:K2OC データシート pp.7–9
- 下位より遅く、上限より早く:オムロン 過電流保護協調の解説
- 不等式の意味:時間協調の不等式を忘れたら
- 1
①→②→③の順に候補を作り、最後は3つを一緒に確認。 合わなければ前に戻ります。契約電力や変圧器容量だけで、3つ全部が決まるわけではありません。
図で見る:どこの装置より先に/後に切るの?
上位の保護装置受電設備
CT → OCR → VCB負荷側
下位の保護装置 → 負荷
上位は電源寄り、下位は負荷寄りです。矢印は電源から負荷への関係で、実際の端子結線図ではありません。CTが電流を取り出し、OCRが判断し、VCBが主回路を切ります。
例えば下位のブレーカーで切れる事故なら、まずそこだけを切りたい。受電VCBまで同時に切れると、関係のない負荷も停電します。この順番を電流と時間で合わせるのが保護協調です。ただし、受電OCRが直接保護する範囲の事故まで待たせる、という意味ではありません。
分からない項目は、どこで調べればいい?
- CT比・OCR型式・今の整定
- 単線結線図、銘板、承認済み整定表を照合。CT比を推測すると、一次と二次の換算から間違います。
- 普段の負荷電流
- 需要・電流の記録や設計資料。契約電力からの簡便式は、その式の対象と条件を確認して使います。
- 突入・始動と短絡電流
- 変圧器・モータの資料と始動条件、系統の短絡計算書。分からない値は0Aにせず「未確認」のまま。
- ダイヤルを決める時間の条件
- 既設の保護協調図、上下の継電器・ヒューズ・ブレーカーの特性曲線、VCBの遮断時間、設備の耐量。違う電圧側の電流は同じ側に換算して比較します。
資料が足りないときは、候補と不足資料まで整理すればよい段階です。「とりあえずダイヤル10」「瞬時は限時の何倍」で確定しないようにします。
公式を自分で復元する
電流を求める公式と、整定候補を選ぶ基準は別です。必要な説明だけ開いてください。
電力から電流、CT二次、タップまで
三相平衡:S = √3 V I、P = S cosφ。したがって I = P / (√3 V cosφ)。単相:S = V I。これが負荷電流計算の親公式です。
| 記号 | 意味・英語・単位 |
|---|---|
| S | 皮相電力 Apparent power [VA]。交流では有効電力Pと区別する記号。 |
| P | 有効電力 Power [W]。 |
| V | 電圧 Voltage [V]。三相式では線間電圧。 |
| I | 電流 Current [A]。慣用的にIを用いる。三相式では線電流。 |
| cosφ | 力率 Power factor [無次元]。φは電圧と電流の位相差。 |
日本語では「同じ有効電力なら、電圧や力率が低いほど必要な電流が大きい」。Pが2倍ならIも2倍、Vが2倍ならIは半分です。他の条件は固定します。
CT比をrとすると、I₂ = I₁ / r、r = CT一次定格 / CT二次定格。添字1・2は一次側と二次側を区別します。rはRatio(比)のr、無次元です。[A]÷[無次元]=[A]。たとえばCT50/5Aならr=10、一次30Aは二次3Aです。
kWとkVを組み合わせれば[kW]/[kV]=[A]、kVA/kVもAです。WとVで計算しても同じです。kWとVを混ぜるときは1000倍が必要です。
タップへの倍率は物理公式から自然に決まる値ではありません。各資料の条件・余裕・設定目盛への丸め方を確認して使います。K2OCの契約電力簡便式は力率項を置かない資料の式として区別しています。
これだけ覚える:電力から一次電流、CT比で二次へ。二次電流から候補を選ぶ基準は、資料で確認する。
単相Trを混ぜた相電流は、なぜ単純な合計ではない?
三相平衡電圧、各負荷の力率角が共通という仮定では、1本の相線に流れる2つの相間負荷電流はベクトルで合成します。合成する2電流の角度が60°なので、|I|² = Iₐ² + Iᵦ² + 2IₐIᵦ cos60° = Iₐ² + Iᵦ² + IₐIᵦ です。
RS・ST・TR間の等価容量をa・b・c [kVA]とすると、R相は √(a²+c²+ac)/V [A]。S相はa・b、T相はb・cの組です。添字R・S・Tは監視する相線の区別、a・b・cは計算用に名付けた相間容量で、a接点・b接点とは関係ありません。
三相Trは各相間へ容量の1/3ずつを配置します。a=b=c=S/3なら相電流はS/(√3V)に戻ります。単相Tr1台だけならS/Vです。平方根内は[kVA²]、平方根で[kVA]、[kV]で割って[A]。容量が全体で2倍なら相電流も2倍です。
実際の負荷率や力率角が異なる設備では、この容量合成が実電流を表すとは限りません。単線結線図の接続相と、対象OCRの監視相を確認してください。
研修・試験で使う「Imax方式」は、この計算機のどこ?
この式の条件:平衡・正弦波の受電電圧、三相Tr側の平衡負荷、各Trが定格容量相当を受け持ち、各負荷の力率角が共通という試算です。負荷率・力率角が異なる実設備の最大需要電流や上限保証値ではありません。V結線・異容量V結線・スコット結線などの三相バンクは対象外です。
研修や現場の計算書では、単相Trと三相Trが混ざった設備の基準電流を Imax = √(A² + AB + B²) ÷ 6.6 と書くことがあります。上の「単相Trを混ぜた相電流」と同じ式を、いちばん大きくなる線だけに絞って書いたものです。この計算機の「各Trから」に入力すると、内訳欄にこの形でも表示します。
| 記号 | 意味・単位 |
|---|---|
| A・B・C | RS・ST・TRの各相間にかかる容量 [kVA] を、大きい順に並べたもの(A≧B≧C)。三相Trは容量の1/3ずつを3つの相間へ、単相Trはつないだ相間へ足します。 |
| 6.6 | 受電電圧(線間)[kV]。[kVA]÷[kV]=[A]。 |
| Imax | 3本の線のうち、いちばん大きい線電流 [A]。CT一次側の値です。 |
なぜ大きい2つ(AとB)だけを使う? 1本の線には、その線を共有する2つの相間の電流が60°ずれて合流します。合成の大きさ √(p²+pq+q²) は p・q のどちらが増えても大きくなるので、最大になるのは大きい2つの相間が重なる線です。いちばん小さいCは、その線には流れません。
確かめ:三相Trだけなら A=B=S/3 なので、Imax=√3×(S/3)÷6.6=S÷(√3×6.6)。三相の式に戻ります。
計算例(架空の設備):三相Tr 150kVA、単相Tr 100kVA(RS間)、単相Tr 50kVA(TR間)、CT 50/5A。
| 手順 | 計算 |
|---|---|
| ① 相間に配る | 三相150kVA→各相間50kVA。RS=50+100=150、ST=50、TR=50+50=100 kVA |
| ② 大きい順 | A=150(RS)≧ B=100(TR)≧ C=50(ST) |
| ③ Imax | √(150²+150×100+100²)÷6.6=√47,500÷6.6 ≒ 33.0 A(RSとTRが共有するR相) |
| ④ CT二次へ | CT比 50÷5=10。33.0÷10 ≒ 3.30 A |
| ⑤ 目盛を選ぶ | 計算値の直近上位。0.5A刻みの目盛(K2OCなどの静止形)なら3.5A、1A刻みの目盛(誘導形に多い)なら4A |
受電電圧6.6kV・CT 50/5A・監視相R・T・3台のTr・限時タップの由来「自動候補」に置き換えます。今の「各Trから」の入力は消えます。
3.5A/4Aは負荷二次以上に丸めただけの参考候補です。動作公差・負荷変動の余裕・保護協調は未評価で、整定確定ではありません。CT比の変更を検討する場合も、負担・事故時特性・保護感度を含めて再確認します。
まちがえやすい2つ
・全部を三相とみなして 300kVA÷(√3×6.6) ≒ 26.2A とすると、二次2.62A→3Aを選び、実際のR相3.30Aより低いタップになります。単相分の偏りを見落とすためです。
・相間の電流を単純に足して (150+100)÷6.6 ≒ 37.9A とすると、60°のずれを無視して大きく見積もります。
目盛に入らないとき:同じ設備でCT 30/5A(比6)なら 33.0÷6 ≒ 5.50A。研修では「3〜5Aの範囲で直近上位を選び、5Aを超えたらCTを交換して比を上げる」と習いました。目盛の上限は機種で違い(K2OCは6Aまで)、この計算機は選んだ機種の目盛から候補を出します。所属先の整定ルールがある場合はそちらを優先します。
単相Trのつなぎ方:単相Trが複数台あるときは、各相間の容量の差が小さくなるようにつなぐのが基本です(不平衡を小さくする)。計算では、実際の接続相を単線結線図・現物で確認して入力します。接続相を確かめずに「差が最小になる配り方」を仮定すると、実際より小さい電流になることがあります。
これだけ覚える:三相は3等分、単相はつないだ相間へ。大きい順にA≧B≧C、上の2つで√(A²+AB+B²)÷6.6。CT比で二次へ、直近上位の目盛。入らなければCTを見直す。
ダイヤルD、入力倍数M、5つの時間特性
M = I₂ / I_tap。MはMultiple(入力倍数)として用いる無次元の記号。添字tapは限時タップを区別します。700%入力はM=7です。メーカーPDFは入力倍数をIと表記しますが、この画面では電流[A]との混同を避けてMを使います。
tはTime(時間)[s]、DはDial(時間目盛)[無次元]。D自体の単位は秒ではありません。
| 特性 | 公称式 [s] |
|---|---|
| EI:Extremely inverse/超反限時 | t = 80/(M²−1) × D/10 |
| VI:Very inverse/強反限時 | t = 13.5/(M−1) × D/10 |
| NI:Normal inverse/反限時 | t = 0.14/(M^0.02−1) × D/10 |
| DT:Definite time/定限時 | t = 2 × D/10 |
| DO:K2CA-DO特性をK2OCで選択 | t = 62.1875/(M−0.5)² × D/10 + 0.05 |
係数はK2OCの公称特性を秒で定義する数値です。一般的なリレーすべてに共通ではありません。DOを英語の頭文字から推測して別機種の式へ置き換えません。
EI・VI・NIは電流倍数が増えると時間が短くなりますが、指定目盛ではM=20での時間、それ以外は0.160秒の定時間下限があります。Dを2倍にすると反限時部の時間は2倍ですが、定時間下限の切替やDOの加算0.05秒がある領域にはそのまま適用できません。DTはM>1の公称計算範囲で、電流を増やしても同じDなら時間は一定です。
逆算の復元:まず t = A(M)×D/10 + b と置き、bを引き、A(M)で割って10倍すればDです。DOのbは0.05秒。他の4式のbは0。定時間域では複数Dが同じ時間になり、1つに決まらないことがあります。実機Dを順方向に計算して確認します。
これだけ覚える:Mは何倍流れたか、Dはどれだけ待つか。式は機種別。DOは先に0.05秒を引く。入力点の一致と曲線全体の協調は別。
時間協調の不等式を忘れたら
下位を先に遮断させたい:t_OCR ≥ t_down + Δt。上位・耐量の上限までに事故電流を消したい:t_OCR + t_CB ≤ t_limit − Δt。
OCRはOvercurrent relay(過電流継電器)、downはDownstream(下位)、CBはCircuit breaker(遮断器)、limitは時間上限。添字はどの機器・目的の時間かを区別します。ΔtはDelta time(協調余裕時間)。全項が[s]なので単位が一致します。
日本語に戻せば「下位より余裕分だけ遅く、上限より遮断器時間と余裕分だけ早く」。余裕を増やすほど候補は狭くなり、上下条件が両立しないこともあります。公称リレー時間を比較するときの式であり、実機の最速・最遅特性と慣性を含む確認は別途必要です。
下位の動作時間が溶断時間だけなら全遮断までを含みません。上位側も公称時間か最小動作時間かで意味が変わります。比較点の「時間の意味」を確認してから使います。
根拠と適用範囲
初回確認日:2026年9月12日。K2OC公称式・定時間下限とオムロン技術解説は2026年10月9日に再確認。式・係数・機器仕様を区別して登録しています。
オムロン|メーカー仕様
K2OC データシート/pp.2–3 定格・性能
対象:K2OC-AVN / K2OC-ACN
版:CSM_K2OC_DS_J_2_4/2026年6月現在(掲載更新日は今回未確認)
AC5A、限時・瞬時・D目盛、瞬時ロック、瞬時3段の有効設定。動作値許容差と公称時間の代表点。
元資料を開くオムロン|メーカー公称式
K2OC データシート/pp.7–9 時間特性、p.14 設定方法
対象:K2OC-AVN / K2OC-ACN
版:CSM_K2OC_DS_J_2_4/2026年6月現在
EI・VI・NI・DT・DOの式。EI・VI・NIの定時間下限はpp.7–8の指定D別に適用。DOの0.05秒は加算定数。
元資料を開くオムロン|メーカー簡便式
K2OC データシート/p.14 限時電流整定値
対象:K2OC-AVN / K2OC-ACN、二次5A
版:CSM_K2OC_DS_J_2_4/2026年6月現在
契約電力からI₁=P/(√3V)、Tap≥I₁×5/CT一次×1.5。力率項のない資料の式を区別して再現。実負荷電流の式とは別。
元資料を開くオムロン|試験基準・参考値
K2OC データシート/p.21 試験方法と判定基準、pp.22–23 参考範囲
対象:資料指定の試験条件
版:CSM_K2OC_DS_J_2_4/2026年6月現在
性能欄の許容差と試験時の判定基準を混用しない。pp.22–23の時間範囲は時間保証ではないため、保護協調の保証包絡線として自動採用しない。
元資料を開く公益社団法人 日本電気技術者協会|技術解説の整定例
高圧自家用受電設備の保護について/2.2(4)OCR整定、(5)PF・S形
対象:CB形受電設備の解説例(特定K2OCの推奨ではない)
版:発行年月・版はページ内で確認できず
契約負荷電流に対する限時120–150%・瞬時1000–1500%の目安。200kW・30/5A・力率0.90の掲載例は限時5A・瞬時40A。係数を掛けた計算値と選択タップを区別。
元資料を開くオムロン|メーカー技術解説
電力・機器用保護機器 保護継電器概要/過電流保護協調/変圧器の保護協調
対象:個別機種・設備条件による
版:文書番号・版の記載なし/ページ最終更新2026-10-01(2026-10-09再確認)
上下の動作時間、遮断器時間、慣性、突入・始動、CT飽和などを系統全体で確認。突入・短時間耐量の簡便点は実機仕様ではない。
元資料を開く三菱電機|参照資料・自動計算未採用
OCR整定例(e-learning)/3.1(2)表3.1-2
対象:高圧受電の過電流保護協調と選定
版:発行年月・版は確認できず
ページ本文を確認。図表の倍率をこの版の自動候補には追加採用していない。
元資料を開くうきわメモ|一般式/明示した計算仮定
電力・CT比・相電流の定義からの計算/画面内「公式を自分で復元する」
対象:記載した回路・力率・平衡条件
版:ツールv7.2
S=√3VI、P=S cosφ、CT二次=一次×CT二次定格/CT一次定格。同一力率角での相合成。負荷二次以上の目盛選びは本ツールの参考ルールであり整定基準ではない。
元資料を開く出典不明|未確認の参考仮定
旧版のTap×7/×10、PFの概算プリセット等/変更記録に保存
対象:メーカー条件を確認できていない
版:旧v6.5/v6.5.1から引継ぎ
Tap×7/×10は参考比較としてのみ残す。PF G50→Is約80Aの旧自動入力は未登録扱いとし、実機資料の手入力へ変更。所属組織の規則とは呼ばない。
元資料を開く公称時間・許容差・試験基準の違い
公称式は代表的な動作時間です。K2OCの性能欄(pp.2–3)では動作値:限時±5%・瞬時±7%。時間の代表性能はTap3A・D10の300%入力で±5%、700%で±7%です。この条件外へ一律に広げません。
試験方法の判定基準(p.21)は別の数値・条件です。pp.22–23の時間範囲は参考値であり、資料も時間保証ではないとしています。本ツールはこれを保証曲線として自動採用しません。
画面の「公称条件内」は実機の最速・最遅特性を考慮した保護協調の成立を意味しません。微小な数値丸め対策と、機器の許容差・協調余裕も別物です。
親公式からたどる2つの計算例
① CT換算:200/5A、限時タップ3A
CT比は200÷5=40。二次3Aの一次換算は3×40=120A。負荷80Aなら120÷80=1.5倍です。一次負荷80Aを二次タップ3Aと直接比較しません。
② 瞬時の公差:一次換算800A、±7%
K2OCの瞬時動作値±7%だけを考えると、低い側744A、高い側856A。避けたい電流700Aは744Aより小さく、拾いたい1000Aは856Aより大きい。この条件だけなら両側に入ります。
学習用の仮定値です。実機のCT誤差・飽和、突入、最小事故電流、瞬時3段の条件、遮断器・上下位の時間協調は別途確認します。±7%の製品性能と、適用する試験判定基準も区別してください。