← 型式検索まず覚える4つ教育用/実設備操作票ではありません
UKIWA MEMO · PROTECTION BASICS

OCR・DGR・OVGR・RPR
まず、この4つをつなげて理解する

暗記ではなく「何を見て、内部で何を判定し、どの外部回路へ渡すか」を電源側から追います。型式を探したい人は検索ページへ直行できます。

安全上の前提: ここは原理教材です。実試験・停復電・整定変更・トリップ確認では、現場責任者、社内手順書、操作票、系統状態、CT/VT回路、制御電源、実機の最新版取扱説明書を優先してください。端子番号は機種ごとに確認し、このページだけを根拠に接続しないでください。
51OCR大きすぎる電流を見る 67GDGR地絡+事故方向を見る 64OVGR零相電圧 Vo を見る 67PRPR電力の逆方向を見る
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30秒で全体像

まず「何を見ているリレーか」を分ける

大電流 ─────────────→ OCR 地絡 ─┬─ 零相電圧 Vo の大きさ ─→ OVGR └─ Io + Vo 等で方向判定 ─→ DGR 発電・分散型電源 ─ 電圧 + 電流 + 位相 ─→ RPR
リレー主に見る量目的国内サイト基本表示
OCRCTからの電流過電流51(瞬時要素50を持つ機種あり)
DGRIo + Vo 等地絡+方向67G
OVGRVo零相電圧上昇64
RPR電圧+電流+位相逆電力67P
OCR

過電流継電器

Over Current Relay

器具No.
51
30秒で分かるCTで見た電流が大きすぎると判定し、外部の引外し回路へ命令を渡す。
一次主回路
→
CT → OCR
→
接点 / 引外し回路 → VCB
通常時:CT二次電流は整定値未満。OCRは非動作。
事故:一次電流が増え、CT二次電流も増える。
判定:限時要素は時間特性に従い、瞬時要素は設定条件を満たすと速く動作。
接点・出力:OCRのトリップ出力が外部回路を成立させる。
遮断:VCB側の引外し機構へ必要なエネルギーが与えられ、遮断器が開く。
復帰:リレー接点、動作表示、VCBの復帰条件は機種・回路ごとに確認。
故障時:CT回路、OCR本体、トリップ回路のどこが失われたかを分けて考える。
3端子・4端子 ― 「見る回路」と「切る回路」の違い
まず覚える3端子形の代表例(電流引外し)では、CT二次の電流検出回路とCBを引き外すための電流回路が一体になっています。

4端子形の代表例(電圧引外し等)では、CTから電流を受ける検出回路と、CBをトリップさせる接点・外部電源側の回路が分離しています。
端子数だけで断定しないこれは代表的な理解です。メーカー・型式・年代で端子構成は異なるため、最終判断はOCR本体の内部接続図、盤の展開接続図、CBの引外し方式で確認します。

3端子形のイメージ ― 電流引外し

CT二次電流 ↓ OCR(過電流を検出) ↓ OCR内部の電流引外し用接点 ↓ CBの電流引外しコイル ↓ CT二次回路へ戻る

「事故を見るためのCT二次電流」と「CBを切るために利用する電流」が同じ系統につながっているのが理解のポイントです。初心者向けには「見る電流と、切るために使う電流がつながっている」と覚えると整理しやすくなります。

4端子形の代表的なイメージ ― 検出とトリップを分離

【検出側】 CT二次 → OCR電流入力 → CT二次へ戻る 【トリップ側】 別のトリップ電源 → OCRトリップ接点 → CBトリップコイル → 電源へ戻る

こちらは「事故を見る回路」と「CBを切る回路」が分かれていると考えます。トリップ側端子は単なる「トリップの入口」ではなく、外部トリップ電源を開閉する接点出力として構成される機種があります。

3端子:一言で見る電流と、切るために使う電流がつながっている。
4端子:一言で見る回路と、切る回路が分かれている。

通常時 → 事故時の流れ(3端子・電流引外しの代表例)

通常時:CT二次電流はOCRを流れるが、動作条件未満なので引外し動作しない。
事故発生:一次過電流に応じてCT二次電流が増加する。
接点:OCRが整定条件を満たすと、電流引外し用の内部接点が動作する。
コイル:CT二次側の電流を利用してCBの電流引外しコイルを励磁する。
遮断:CBの引外し機構が動作して主回路を開放する。
復帰:事故電流消失後のOCR表示・接点・CBの復帰方法は機種ごとに確認する。
故障時:CT回路、OCR接点、引外しコイル、配線の抵抗増加・断線などにより必要な引外しエネルギーが得られない可能性がある。
重要「3端子=必ず電流引外し」「4端子=必ず電圧引外し」という端子数だけの判定はしません。実機では、端子記号・内部接続図・CB引外し方式・トリップ電源の有無をセットで確認します。
限時51と瞬時50

OCRという箱の中に限時要素51と瞬時要素50を併せ持つ機種があります。たとえばオムロンK2OCは動作電流、動作時間に加えて瞬時電流整定を持っています。したがって「OCR=51だけ」とは決めません。

よくある勘違い
× OCR自身がVCBを機械的に開く一般にはOCRの出力がトリップ回路へ命令を渡し、VCB側の引外し機構が動きます。
実際のOCR型式を検索 →
一次資料:
オムロン K2OC 形式/種類・定格/性能(確認 2026-08-09)
公式ページ
三菱電機 FAQ「保護リレーからVCBの引外し方式の確認」FAQ 13096(公開 2012-03-14)
公式FAQ
ムサシインテック リレー試験器ページ(3端子OCR+電流引外し式CBの記載、確認 2026-08-09)
公式ページ
DGR

地絡方向継電器

Directional Ground Relay

器具No.
67G
30秒で分かる「地絡がある」だけでなく、基準量との位相関係から“動作すべき方向”かを判定する。
主回路 → ZCT → Io ┐ ├→ DGR → 方向判定 → 出力 系統 → ZPD/ZVT → Vo ┘
通常時:Io・Voは動作条件を満たさない。
地絡発生:ZCTが零相電流Io、ZPD/ZVT等が零相電圧Voを与える。
方向判定:大きさだけでなくIoとVo等の位相関係を確認。
接点:電流・電圧・位相・時限の条件を満たすと出力接点が動く。
遮断・警報:設備側の外部シーケンスに応じてVCB/PAS等のトリップや警報へつながる。
復帰:自動/手動復帰は型式・設定で確認。
故障時:Io入力、Vo入力、制御電源、共通信号を分けて診断する。
M・N端子って何? — 三菱旧MELPRO-Aの具体例
✓ メーカー一次資料で確認MDG-A1 / A2 + MPD-3

三菱電機の公式FAQでは、MPD-3形ZVTに直接接続できるリレーは5台まで。6台以上の場合は、MPD-3につながっているリレーの「Vo拡張端子(M-N)」を利用し、そのM-Nからさらに20台まで接続できると明記されています。

MPD-3(Vo検出) ├─ MDG 1 ├─ MDG 2 ├─ MDG 3 ├─ MDG 4 └─ MDG 5 ── M-N(Vo拡張) ──→ 追加DGR群(最大20台:当該FAQの構成)
重要M・NはDGR一般に共通する“親子端子名”ではありません。上記は三菱MDG-A1/A2世代で公式確認できた具体例です。別メーカー・別世代では結線図を個別確認します。
「親機・子機」って何?

まずメーカー正式名称を探します。今回確認した三菱資料では、正式な説明は「Vo拡張端子(M-N)」です。「親機・子機」という語を聞いたときは、“Voの元へ直接つながる側と、拡張されたVoを受ける側の話か?”を図面で確認するのが安全です。

未確認を残す「親機」「子機」を全メーカー共通の正式分類として定義できる一次資料は、今回の調査では確認できていません。現場用語とメーカー用語を混ぜないようにします。

故障時に考える順

① Voの元になる検出器 → ② 直接接続側 → ③ M-N等の拡張線 → ④ 下流側リレー、の順に「どこまで同じ信号を共有しているか」を結線図で追います。

Vo+Io以外に「電流+電流」のDGRはある?
✓ 存在まで確認△ 原理・代表型式は調査中

ムサシインテックの公式試験器ページでは、特別高圧設備向けに「電流抑制タイプの地絡方向継電器」が存在することまでは確認できます。

一方で、「どの2つの電流を使うのか」「現場でいう“電流・電流タイプ”と同一概念なのか」「代表リレー型式は何か」は、今回のメーカー一次資料ではまだ確定していません。

したがって今は断定しない一般的な高圧受電用DGRのIo+Vo方式と、電流抑制タイプを同じ回路として描きません。型式とメーカー資料が固まってから別教材にします。
VoとIo・位相をどう考える?

オムロンK2DGは、零相電流と零相電圧の整定に加えて動作位相整定を持つ現行DGRです。「Ioが大きい」だけではなく、VoとIoの関係が動作条件に入ります。最大感度角や動作領域は機種ごとに違うため、教材の概念図と実機の位相特性図を分けます。

よくある勘違い
× 地絡電流が大きければ必ずDGRが動くDGRは方向判定条件も持ちます。Vo入力断線、ZCT極性、ZPD/ZVT異常、共有信号断線などでは「何の情報を失ったか」を分けて考えます。
実際のDGR型式を検索 →
一次資料:
三菱電機 FAQ 13142「組合せ変成器について」(M-N=Vo拡張端子、公開 2012-02-24)
公式FAQ
三菱電機 MDG-A3 マニュアル JEP0-IL2122-D、Ver.D、2022年10月
公式マニュアル一覧
オムロン K2DG 定格/性能(Io・Vo・動作位相、確認 2026-08-09)
公式ページ
ムサシインテック DGR試験器(「電流抑制タイプ」の存在、確認 2026-08-09)
公式ページ
OVGR

地絡過電圧継電器

Over Voltage Ground Relay

器具No.
64
30秒で分かるZPD・EVT・GPT等から得る零相電圧 Vo が設定値を超えたかを見る。
系統 → ZPD / EVT / GPT 等 → Vo → OVGR → 接点 → 警報 / 遮断シーケンス
OVGR基本はVoの大きさを判定。
DGRIo+Vo等から地絡の方向まで判定。
太陽光発電設備では何のため?

高圧の自家消費型太陽光でOVGRとRPRが一体化した製品は実際にあります。オムロンK2ZC-K2RVは公式にOVGR(64)+RPR(67P)を自家消費型太陽光発電用として掲載しています。

ただし「太陽光=必ずOVGR+RPR」ではない逆潮流の可否、連系方式、PCS内蔵保護、一般送配電事業者との協議条件で構成は変わります。売電/自家消費という言葉だけで外付けリレー構成を断定しません。
通常時 → 動作 → 復帰

通常時はVoが整定以下。地絡等によりVoが上昇し、整定値と時限条件を満たすと出力接点が動作。外部シーケンスにより警報・遮断へつながります。復帰方式は機種の自動/手動設定を確認します。

実際のOVGR型式を検索 →
一次資料: オムロン K2ZC-K2RV 形式/種類・定格/性能(OVGR 64、確認 2026-08-09)
公式ページ
RPR

逆電力継電器

Reverse Power Relay

国内基本表示
67P
30秒で分かる電流の向きだけでなく、電圧・電流・位相から有効電力の方向を判断する。
電圧入力
+
電流入力・位相
→
有効電力の方向 → RPR
通常時:受電点の有効電力方向が許容側。
逆方向の電力:発電量と負荷の関係などで、監視点の電力方向が反転。
判定:電圧・電流・位相から逆電力を算出し、整定値・時限を判定。
出力:RPR接点が外部の連系・遮断シーケンスへ命令を渡す。
復帰:逆電力が復帰条件を満たした後の接点復帰は型式仕様に従う。
67Pと32 / 32Rはどう整理する?
日本の現場表示国内メーカー製品ではRPRを67Pと表示する例があります。うきわメモの基本表示も67Pにします。
海外資料IEEE/ANSI系の資料ではReverse Powerに32/32Rを使う例があります。番号体系を混ぜず、別フィールドで扱います。

したがって「67P=ANSI番号」とは書かず、国内器具番号67P / 海外IEEE・ANSI系32等と分けます。

太陽光:受電と逆潮流を絵で見る
発電量 < 構内負荷電力会社 → 受電点 → 負荷
不足分を系統から受ける。
発電量 > 構内負荷PCS → 受電点 → 系統側へ電力が向かう可能性。逆潮流を許す/許さない条件は設備ごとに確認。
電力会社 ─── 受電点 ─── 構内負荷 │ └──── PCS ← 太陽光

自家消費・逆潮流なしの保護構成では、受電点側へ逆方向の有効電力が出たことをRPRで検出する製品例があります。一方、逆潮流を許容する連系では「逆に流れたら即トリップ」という単純な説明は成立しません。

発電機でのRPR用途は?

RPRという保護要素の原理はここで扱いますが、発電機設備の運転・自動起動停止・切替シーケンスは別カテゴリです。

非常用発電機の保護・連動教材を見る →

実際のRPR型式を検索 →
一次資料: オムロン K2ZC-K2RV 自家消費型太陽光発電用保護継電器。公式仕様でOVGR(64)、RPR(67P)、電圧入力・電流入力・位相特性を確認(2026-08-09)。
公式仕様
✓

新人セルフチェック

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OCRが事故を見つける部分と、VCBを開かせるエネルギー源を分けて説明できる?
「3端子だから○○」と端子数だけで決めず、引外し方式と内部接続図を確認する理由を説明できる?
DGRがIoだけでなくVo等の基準量を使う理由を説明できる?
三菱MDG-A1/A2のM-Nが何のための端子か説明できる?
「親機・子機」がメーカー正式用語とは限らない理由を説明できる?
電流抑制タイプDGRについて、確認済みと未確認を区別できる?
OVGRとDGRの違いを一言で説明できる?
RPRが電流だけではなく電圧・位相も必要な理由を説明できる?
RPRの67Pと海外32/32Rを同じ規格番号として混ぜない?
太陽光設備のOVGR/RPR構成を、売電/自家消費だけで断定しない理由を説明できる?
文

一次資料と確認状態

教材の事実と、まだ調査中の部分を分ける

未確認・次回深掘り「電流+電流方式DGR」の具体的な原理・代表型式・正式名称、および「4端子OCR」を全メーカー共通に定義できる一次資料は、現時点で未確定。推測で埋めず、型式別取説を追加調査する。