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TODAY'S WHY? / TRANSFORMER & GROUNDING

B種接地線は、なぜ電灯38sq・動力22sq?

実際の100kVA単相電灯変圧器と150kVA三相動力変圧器から、二次定格電流の求め方、B種接地線の選び方、そして「0.052」の位置づけを一本につなげる。

B種接地変圧器単相 / 三相二次定格電流0.052更新:2026年8月22日 10:52 JST
先に結論: 二次定格電流は、単相なら I=S/V、三相なら I=S/(√3V)。B種接地線は、確認できた現行の国交省仕様では変圧器1相分の容量から表で選ぶ。今回の表計算では電灯100kVA→38mm²、動力150kVA→150÷3=50kVA/相→22mm²。ただし、現行の同仕様では低圧側遮断器から求める接地線サイズとの比較も必要なので、動力側の最終判定には遮断器定格が必要。

1今回の「なんで?」

容量だけを見ると動力の150kVAの方が大きい。それなのに、実物では電灯側のB種接地線が太く見え、動力側は「IV 22mm²」と読める。なぜ?

単相100kVA電灯変圧器の銘板
電灯側:単相100kVA、二次210/105V、二次定格電流476A。
三相150kVA動力変圧器の銘板
動力側:三相150kVA、二次210V、二次定格電流412A。
電灯変圧器付近の緑色接地線
電灯側の緑色線。写真だけでは線サイズ表示を明瞭に断定できないため、38mm²は計算との一致として扱う。
動力変圧器のIV22平方ミリメートル接地線
動力側は「IV 22mm²」の表示が読み取れる。

💡 電灯変圧器

単相 100kVA
一次 6600V
二次 210/105V
銘板二次電流 476A

容量表:38mm²

⚙️ 動力変圧器

三相 150kVA
一次 6600V
二次 210V
銘板二次電流 412A

容量表:22mm²

「二次定格電流を出す計算」と「B種接地線を表で選ぶ計算」は、同じ変圧器を見ていても途中で使う考え方が違う。

2二次定格電流はどう求める?

単相

I = S / V I:二次定格電流 [A] S:変圧器定格容量 [VA] V:二次電圧 [V](単相:全巻線/三相:線間)

電灯変圧器は100kVA、210/105V。単相3線式の全巻線210Vで計算すると、

S = 100 kVA = 100,000 VA V = 210 V I = 100,000 / 210 = 476.19 A ≒ 476 A

銘板の476Aと一致する。

三相

I = S / (√3 × V) I:二次線電流 [A] S:三相全体の定格容量 [VA] V:線間電圧 [V] √3 ≒ 1.732

動力変圧器は150kVA、210Vなので、

S = 150 kVA = 150,000 VA V = 210 V I = 150,000 / (1.732 × 210) ≒ 412.4 A ≒ 412 A

銘板の412Aと一致する。

覚え方: 単相は「容量÷電圧」、三相は「容量÷(√3×線間電圧)」。三相だけ√3が入る。

3B種接地線は「変圧器1相分の容量」で見る

国土交通省「公共建築工事標準仕様書(電気設備工事編)令和7年版」2.13.9では、B種接地工事の接地線を表2.13.1から選ぶ。備考では、三相変圧器は定格容量の1/3、単相3線式は200V級を適用するとされている。

相数を確認
→
1相分容量を出す
→
100 / 200 / 400V級
→
表で接地線を選ぶ
100V級200V級400V級接地線(銅)
5kVA以下10kVA以下20kVA以下5.5mm²以上
10kVA以下20kVA以下40kVA以下8mm²以上
20kVA以下40kVA以下75kVA以下14mm²以上
40kVA以下75kVA以下150kVA以下22mm²以上
60kVA以下125kVA以下250kVA以下38mm²以上
100kVA以下200kVA以下400kVA以下60mm²以上
175kVA以下350kVA以下700kVA以下100mm²以上
250kVA以下500kVA以下1,000kVA以下150mm²以上

電灯100kVA

単相3線式 → 200V級 1相分容量 = 100kVA 75kVA < 100kVA ≦ 125kVA → 表2.13.1では 38mm²以上

動力150kVA

三相 → 1相分容量 = 150 / 3 = 50kVA 200V級 40kVA < 50kVA ≦ 75kVA → 表2.13.1では 22mm²以上
「150kVAなのに22sq」の理由: B種の容量表では三相全体150kVAをそのまま見ず、150÷3=50kVA/相として見るため。

※この国交省仕様は公共建築工事の標準仕様。すべての民間設備へ自動的に同一条件で適用される法令表という意味ではない。実設備では設計図書、適用規程、社内基準を確認する。

4ここが大事:容量表だけで終わらない場合がある

同じ国交省令和7年版では、表2.13.1で選んだB種接地線が、変圧器低圧側を保護する配線用遮断器等から表2.13.2で選ぶ接地線より細い場合、表2.13.2の太さを採用するとされている。

低圧側遮断器等の定格電流表2.13.2の接地線
30A以下直径1.6mm以上*
30A超〜60A以下直径2.0mm以上*
60A超〜100A以下5.5mm²以上*
100A超〜150A以下8mm²以上
150A超〜250A以下14mm²以上
250A超〜400A以下22mm²以上
400A超〜600A以下38mm²以上
600A超〜1,000A以下60mm²以上

表2.13.2の全区分を掲載。「直径mm」と「断面積mm²」は別の量です。*雷保護設備で内部雷保護の等電位ボンディングを行う場合は8mm²以上とし、適用は特記によります。B種は、この表の値だけで決めず、表2.13.1との太い側を比較します。

動力側は要確認: 150kVA三相の二次定格電流は約412Aだが、写真から低圧側主遮断器の定格は分からない。もし適用する仕様がこの国交省令和7年版で、低圧側遮断器が400A超~600A以下なら、表2.13.2側は38mm²となる。したがって、写真の22mm²を現在の同仕様に対して「必ず適合」とは断定できない。

設備は2005年製なので、施工当時の適用基準・設計条件が現在と同じとも限らない。現場で最終判断するなら、低圧主遮断器の定格、竣工図・接地系統図、適用仕様まで確認する。

5では「0.052 × I」は何?

A = 0.052 × I は、接地線の熱的な必要断面積を考える式として実務資料で広く引用される。
ただし、B種接地線について「何のIを入れるか」「表との関係」は、適用する規程本文で確認する必要がある。
A = 0.052 × I A:必要断面積 [mm²] I:その規程で基準とする電流 [A]

今回、公開されている現行の一次資料として確認できた国交省令和7年版は、B種について変圧器1相分容量の表で選ぶ形を明記している。一方、0.052式の最新版「内線規程」本文上の詳細な適用条件は、公開一次資料では確認できていない。

前の説明を訂正: 「三相150kVAの銘板二次電流412Aに0.052を掛ければ、B種22sqが求まる」と、容量表と同じ別解のように説明した部分は正確ではない。412A×0.052が約21.4mm²になるのは事実だが、それを現行のB種容量表の根拠と同一視しない。B種は適用基準の選定方法を優先する。

6計算して確かめる

変圧器容量と二次電圧を入れると、二次定格電流と「1相分容量」を表示する。B種接地線は国交省令和7年版の表2.13.1と、任意入力の低圧側遮断器等に基づく表2.13.2を比較します。

変圧器の二次電流を代入せず、適用する遮断器等の定格を確認。

電圧級は自動分類しません。単相3線式100/200V(銘板105/210V等)は、この表では200V級を適用します。単相は全巻線電圧、三相は線間電圧を入力し、相数・電圧・電圧級を変えたら再確認してください。

注意: 同仕様を適用する場合の2表比較です。電圧級の組合せ未確認・遮断器未入力・数値不正・表の範囲外では比較を確定しません。接地系統、設計図書、雷保護設備の等電位ボンディングに関する注記などは別途確認します。

7現場での整理

今回の結論
電灯:単相100kVA・210/105V → 二次476A。表2.13.1ではB種38mm²。
動力:三相150kVA・210V → 二次412A。1相分50kVA → 表2.13.1ではB種22mm²。ただし低圧側遮断器との比較が必要。

覚えるべきポイント
二次定格電流は「単相 S/V、三相 S/(√3V)」。B種容量表は「変圧器1相分容量」。三相は容量÷3、単相3線式は200V級。

現場で確認するもの
相数、kVA、二次電圧、銘板二次定格電流、B種接地線表示、低圧側主遮断器の定格、竣工図・接地系統図、施工当時と現在の適用基準。

間違えやすい点
「150kVAの方が大きいから接地線も太い」と総容量だけで判断すること。0.052×銘板線電流を、B種容量表と完全に同じ方法だと考えること。

不確かな点
電灯側の線サイズ表示は写真で明瞭に読めない。0.052式の最新版内線規程本文上の詳細条件は公開一次資料で未確認。動力側22mm²の現在基準での最終判定には低圧側遮断器定格が必要。

根拠資料

本文・表の再確認日:2026年10月9日。メーカー仕様・設計仕様・社内基準が別途ある場合は、それらを優先して照合する。