MOTOR PROTECTION RELAY FIELD NOTE
1E・2E・3E モータ保護リレー
「Eの数字=検出素子数」ではありません。何を保護できるかを表す区分として理解し、完全型式・整定・復帰方式・制御回路を実機と公式資料で照合します。
1E|過負荷・拘束2E|1E+欠相3E|2E+反相
安全上の前提:このページは教育・配線確認用です。活線で相を入れ替える、欠相を発生させる、主回路へ試験電流を流すなどの操作を指示するものではありません。現場責任者、社内手順書、無電圧確認、モータ停止、誤始動防止、メーカー指定試験方法を優先してください。
まずここ:Eの数字と素子数は別
3素子のサーマルリレーでも、欠相までを保護する製品は「2E」です。Eは保護要素の区分、素子数は電流を検出する構造上の数です。
| 区分 | 過負荷・拘束 | 欠相 | 反相 | 代表的な装置 | DB代表型式 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1E | あり | なし | なし | サーマル/電子式 | TH-T18 |
| 2E | あり | あり | なし | 3素子欠相保護サーマル/電子式 | TH-T18KP、TR18XK |
| 3E | あり | あり | あり | 電子式モータ保護リレー | ET-N60 8A、K2CM-1LS(選択形) |
公式確認済み代表型式
型式を切り替えると、DBに登録した確認済み情報だけを表示します。端子番号を確認できていないものは推測表示しません。
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型式・保護要素:公式確認端子・常設配線:完全形式照合が必要試験値・社内管理値:未登録
主回路と制御回路の関係
下図は動作原理を学ぶための代表回路です。特定型式の端子図ではありません。設備図面とメーカー取扱要項を優先してください。
通常時:始動操作後の運転中を示します。保護停止接点と停止PBは導通し、MC-aで自己保持、MCコイルは励磁、MC主接点は閉です。
主回路の代表模式図
電源からモータまで。保護リレーが電流状態を監視します。
制御回路の代表模式図
保護停止接点と停止PBは、始動PB・自己保持接点の分岐より電源側で共通に直列接続します。a/bは無操作・正常復帰状態を基準に表します。
動作を順番に追う
1. 通常時モータ電流が正常範囲で、保護リレーは復帰状態。代表回路では保護停止接点の導通が保たれます。
2. 過負荷・欠相・反相搭載・選択されている保護要素が異常を判定します。1E・2E・3Eで監視できる範囲が違います。
3. 出力接点が切り替わる代表回路ではMCコイル直列の停止接点が開きます。a接点・b接点と端子番号は型式資料を優先します。
4. MCコイルが消磁電磁接触器MCの操作コイルが無励磁となり、自己保持も解除されます。
5. 主接点が開くMC主接点が開き、モータ主回路を遮断してモータが停止します。
6. 復帰条件原因除去、冷却、手動RESET、自動復帰、電源再投入など、完全型式の復帰方式を確認します。
7. 故障した場合停止接点不良、整定誤り、検出不良では保護不能または不要停止が起こり得ます。実制御回路で影響を確認します。
接点動作表
この表の基準状態:保護リレーが正常復帰、異常入力なし、制御電源が必要な機種は電源印加済み。特定型式の端子番号は示していません。
| 状態 | 保護停止側接点 | 警報側接点 | MCコイル | MC主接点 | モータ |
|---|---|---|---|---|---|
| 通常時 | 代表回路では導通 | 代表回路では非導通 | 励磁 | 閉 | 運転 |
| 保護動作時 | 代表回路では開放 | 搭載・使用時は導通側へ | 消磁 | 開 | 停止 |
| 復帰後 | 復帰方式に従い正常側へ | 復帰方式に従い正常側へ | 再始動条件成立後 | 再投入後に閉 | 再始動後に運転 |
自動復帰形でも、外部回路に自己保持やPLCラッチがある場合は自動再始動しない構成があります。反対に自動再始動する回路もあるため、実設備図面を確認してください。
試験項目
ここでは「何を確認するか」だけを示します。具体的な印加方法・相入替え・欠相生成は、メーカー指定方法と社内手順書に従ってください。
過負荷動作整定電流と実測動作値を区別。モータ定格と整定根拠を確認。
動作時間電流倍率、冷態・温態、トリップクラス、反限時・瞬時を区別。
欠相動作2E・3Eのみ。判定方式とメーカー指定試験条件を確認。
反相動作3Eのみ。電流反相・電圧反相と検出位置を確認。
出力接点基準状態、a/b接点、導通、接触不良、外部回路との対応を確認。
復帰手動・自動・冷却待ち・電源再投入・外部RESETを区別。
MC連動実停止を伴う確認は系統状態、誤始動防止、操作票を優先。
表示・記録過負荷・欠相・反相表示、整定、試験前後の復旧状態を記録。
故障時の影響
| 故障・誤設定 | 起こり得ること | 現場で確認するもの |
|---|---|---|
| 停止接点の接触不良 | MCコイルが保持できず不要停止、または接点構成によっては停止不能 | 接点基準状態、導通、制御回路 |
| 電流整定が高すぎる | 過負荷を検出できずモータ焼損に至る可能性 | モータ定格、整定根拠、負荷特性 |
| 電流整定が低すぎる | 正常始動や通常負荷で不要動作 | 始動電流、始動時間、トリップクラス |
| 2E・3E設定の誤り | 欠相・反相を保護できない、または意図しない停止 | 保護モード、相順、対象設備 |
| 制御電源喪失 | 電子式リレーが監視不能。出力接点のフェイル動作は機種・回路による | 制御電源定格、電源喪失時接点、警報 |
| 自動復帰設定 | 外部回路によっては原因残存中の再始動リスク | 自己保持、PLC、再始動条件、誤始動防止 |
根拠資料
確認日:2026-08-10。端子番号・試験条件・管理値は完全型式の取扱要項を追加確認します。
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