測られる側
接地抵抗を知りたい接地極。
ET-5は交流電位差計方式。3極法ではE-C間に試験電流を流し、E-P間の電圧降下を見ることで、被測定接地極Eの接地抵抗を求めます。
金属のアース棒だけの抵抗ではありません。接地極と周囲の土を含む経路を見ています。電流を流したときに接地極の電位がどれだけ上がるか、その関係から求めます。
同じ電流なら、電圧の上がり方が大きいほど抵抗も大きい。
一般原理:共立電気計器「接地抵抗計ガイドブック」。以下は理解用の図で、現場の接続手順ではありません。
線の色は説明用です。実機のコード色を指定するものではありません。交流なので実際の電流方向は交互に変わります。
接地抵抗を知りたい接地極。
大地の電位を参照する補助極。Eとの電位差を検出します。
Eと大地を通る試験電流の回路を作る補助極。
三極法の「三つ」は、E・P・Cという電極の役割です。A種・B種・C種・D種という接地工事の区分とは別の話です。
対象の接地抵抗を同じにして、相手側だけ変えてみます。理想化した説明用モデルで、実測値や合否判定ではありません。
対象側の抵抗を求める
30 + 5 = 35 Ω
相手側の5 Ωも測定値に入ります。
例えば、試験電流が10 mA、E–P間の電圧が0.30 Vなら、0.30 ÷ 0.010 = 30 Ωです。この電流は計算用の仮定で、ET-5が常に10 mAを流すという意味ではありません。
コード抵抗・接触抵抗・地電圧などの誤差は、この足し算モデルには含めていません。二つの接地が金属線でつながる場合も、この単純な和は当てはまりません。
EからCへ電流を流すと、E付近だけでなくC付近にも電位の変化ができます。E–C全体の電圧を使うと、相手側の影響も含んでしまいます。
そこで、電位の変化が小さい区域をPで参照し、E側の電圧を取り出します。Pは「もう一本の電流用アース」ではなく、電圧を見るための役割です。
同じにはなりません。EやCのすぐ近くでは、それぞれの電位分布の影響を受けます。広い接地網や埋設金属、土壌によっても分布が変わります。「真ん中なら必ず正しい」「一定距離ならすべての設備で十分」とは言えません。
一般原理では、P位置を変えたときに測定値がほぼ一定となる区域の確認が重要です。対象設備の規模とメーカー手順に合わせて判断します。
HIOKI FT6041取扱説明書・7.4「3電極法で測定するときのポイント」(配置の一般原理を参照。ET-5の仕様として転用しません。)
針は、測定した電圧と内部の比較電圧の差を示します。釣り合ったときに、抵抗値を読むのはダイヤルの目盛です。
天びんが水平になった状態に似ています。
水平=重さゼロではなく、両側が釣り合ったという意味です。
両方の電圧が同じ試験電流に比例するため、釣り合いの式では電流が消え、抵抗どうしの対応が残ります。単に電圧計の針をΩに読み替えているわけではありません。
ET-5 第14版・本文33ページ(PDF41ページ)の交流電位差計方式を独自に図解・要約。
交流電圧測定の指針や黒帯を、補助極の良否判定へ読み替える根拠は確認できません。「右へ振れるほど補助極が良い」という判断には使用しないでください。
補助接地極・測定コードの確認と接地抵抗測定は、ET-5取扱説明書の該当手順に従います。地電圧の確認と、試験電流を流して接地抵抗を測る操作は区別してください。
根拠:ムサシインテック「ET-5取扱説明書」第14版、2102-000ST004。交流電圧レンジの注意:本文12ページ(PDF20ページ)。交流電圧測定:本文22~23ページ(PDF30~31ページ)。該当資料を開く
旧版には、AC150VレンジでPUSHを押す経験的な操作と、その挙動を説明する推定等価回路を掲載していました。メーカーの禁止事項と矛盾するため撤回しました。旧版の説明を測定手順として使用しないでください。
ムサシインテック ET-5 取扱説明書:第14版。本文5~6ページ(測定範囲)、21ページ(二極法の合成抵抗)、33ページ(内部原理)。確認日:2026年9月19日。内部原理のページへ。
ムサシインテック ET-5 製品ページ:現行仕様・特長。